当塾に通塾する高校生・高卒生たちは、多くが、大学進学を目指します。看護系志望者は、短大や専門学校を検討することも珍しくありませんが、他の学部については、ほぼ100%が大学進学です。が、1年生・2年生たちは、大学と専門学校とで、悩むことがあります。

大学と専門学校を比べるときに、「大学が上」「専門学校が下」と見られますが(入学難易度だけで見るとその通りですが)、決してそんなことはありません。大学と専門学校とでは、役割が違います。

大学は、ある分野を学問的に追究する場所です。一方で、専門学校は、実戦的なスキルや資格取得を目指す場所です。

食品系の専門学校と大学を比べてみます。食品系の専門学校といえば、一般的には、料理の実戦的スキルを身につけるための勉強をします。調理師の資格を取得し、ホテルやレストランなどへの就職を目指します。一方で、調理師の資格取得を目指せる大学は、極少数です。食品系の大学は、食品を、栄養学、化学、医学などの観点から、学術的にアプローチします。調理実習が行われたりもしますが、それがメインではありません。

エンジンを扱う場合も同様です。専門学校では、自動車整備士、航空整備士などの資格を取得し、その資格を生かせる企業への就職を目指します。一方で、大学では、エンジンの構造などを数学や物理などを駆使しながら考え、より良いエンジンの開発を目指します。整備士資格の取得を目指せる大学もありますが、目指せない大学もたくさんあります。就職先も、専門学校は自動車整備や航空機整備の企業が主となりますが、大学はエンジンの開発などを行うメーカーが主となります。

とはいえ、4年制の専門学校を卒業することで大学院進学の道が開けたり、大学が実戦的教育に力を入れたりと、大学と専門学校の境が曖昧になりつつあります。自分に合う進路先を選ぶのが一番ですので、まずは色々と見るようにしましょう。

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小澤典生

エール学院の学院長です。函南町で生まれ、地元の中学校、私立高校に在籍しました。高校卒業後、関西外国語大学に進学しますが、2年後に退学。英語を話せるようになりたい!と思い、渡米を決意しました。私は、帰国子女でもありませんし、特別な英語教育を受けたわけでもありません。予想どおり(?)、言葉の壁に苦しみながら、4年後には州立アイダホ大学を卒業。帰国後、かねてからの夢だった、塾講師の仕事に就きました。現在では、学院長業務に加え、不登校生支援、高校のキャリア教育支援なども行っています。