中学3年生の入塾相談が増えています。まだまだ志望校が決まっていない生徒も多いのですが、志望校が絞られている生徒も増えてきました。中には、単願で私立高校を目指す生徒もいます。当塾周辺は、公立志向が強い地域ですので、まずは公立高校と私立高校の併願を検討する生徒が多いのですが、その中で、早々に私立高校に決める意味はあるのでしょうか?公立高校と私立高校、どちらが良いのか考えてみます。
公立志向が強い理由は、授業料が安いこと、公立トップ高と私立トップ高では公立トップ高の方が進学実績が高いことが挙げられるでしょう。進学実績で言うと、各地域の公立トップ高(韮山高校、沼津東高校、富士高校)は、毎年コンスタントに東京大学に卒業生を送り出しています。一方で、私立高校は、毎年、東大に合格者を出すまでには至っていません。もちろん、東大合格者だけで進学実績の良し悪しを判断することは出来ませんが、一つの指針にはなるでしょう。
私立高校が良い理由として挙げられるのは、面倒見の良さです。私立高校は、放課後補習、夏期講習や冬期講習、小論文講座など、各高校で独自のサポートを展開しています。公立高校でも、土曜講習などを導入する学校も増えていますが、私立高校の方が面倒見が良いというイメージを覆すまでにはなっていません。ただ、面倒見については、私立高校だから良い、と考えるのは危険です。私立高校の中にも、面倒見が悪い学校はありますし、また高校3年次の担任や進路の先生の方針によっても、サポート体制は違ってきます。面倒見を求めるのなら、高校を個別に調べるようにしましょう。
私が考える私立高校の最大の利点は、学校独自の取り組み(制度)です。日大三島高校(三島市)、星陵高校(富士宮市)、不二聖心高校(裾野市)のように、上部に大学や専門学校を抱えており、内部推薦制度が設けられているのは、私立高校の明らかな強みです。静岡サレジオ高校(静岡市)は、大学付属ではありませんが、上智大学や東京都市大学と提携し、推薦枠を確保しています。その他、語学研修制度、独自の人間教育やキャリア教育、ICT教育など、各高校が独自に柔軟に取り組めるのは、私立高校の特徴です。私立高校は、面倒見と言うより、こういった高校ごとの特徴を捉えると良いと思います(数百人の生徒を、一人ひとり丁寧に見るのは、どんな高校でも難しいです・・・)。
これから、各中学校で、本格的に進路指導が開始されます。自分でも、高校について、しっかりと調べておきましょう。
小澤典生
エール学院の学院長です。函南町で生まれ、地元の中学校、私立高校に在籍しました。高校卒業後、関西外国語大学に進学しますが、2年後に退学。英語を話せるようになりたい!と思い、渡米を決意しました。私は、帰国子女でもありませんし、特別な英語教育を受けたわけでもありません。予想どおり(?)、言葉の壁に苦しみながら、4年後には州立アイダホ大学を卒業。帰国後、かねてからの夢だった、塾講師の仕事に就きました。現在では、学院長業務に加え、不登校生支援、高校のキャリア教育支援なども行っています。