「指導要領」というものがあります。学校で教えるべきことを定めたもので、国が決めています。2012年度の改定では、「脱ゆとり」が大きな話題になりました。小学校、中学校、高校にそれぞれ指導要領は存在していますが、今回は、中学校の次回改定について見ていきます。
中学校では、2021年度から新指導要領が適用となります。新中学1年生(現小学6年生)が中学3年生に進級する時です。とは言え、中学3年生からガラッと変わると混乱してしまうため、2019年度から「移行期間」が設定され、先行して、新指導要領の内容が取り入れられます。
もっとも気になるのは、英語・数学だと思います。両科目とも、学習内容が増える予定です。
英語は、単語数が大幅に増えます。現在、中学で学習する単語数は1,200語ほどです。これが、1,700程度にまで増えることになっています。さらに、小学校で700語程度を学習する予定ですので、中学3年終了時点で知っておくべき単語数は、1,200語ほど増加することになります。また、高校の学習範囲であった現在完了進行形や仮定法の基礎事項が、中学校に移管されます。授業時間数は現状維持ですので、かなり忙しくなりそうです。
数学は、統計の単元が、高校から移管されます。高校で学習していたが四分位範囲や箱ひげ図、中学2年生で登場することになります。また、これに伴い、統計的確率の単元が、中学2年生から中学1年生に前倒しされます。
資料やデータの読み取り(数学・国語)、防災(理科)、プログラミング(理科)など、時代を反映した改訂になりそうです。その分、勉強内容が増えてしまうため、どの様に整理をして学習するのかが、カギになりそうです。
プロ講師による個別指導塾《エール学院》
学院長 小澤典生