あと数ヶ月で、大学のAO入試・推薦入試が始まります。新型コロナがどこまで影響するのかは分かりませんが、通常どおりに実施されるとして、対策はしておきましょう。

AO入試・推薦入試と言えば、小論文です。「日本語だから何とかなる」と考えている人も多くいますが、意外と書けないものです。小論文を書くときに大切なことの一つが、客観性です。

例えば、「コロナの感染者が凄く増えた」というのは、主観です。「凄く」の基準は、人により違うためです。「3月の1ヶ月間で、1500人以上増えた」というのは客観です。「誰がどう考えても、その通り」というのが、客観だと考えて下さい。1500人以上増えたというのは、その通りなので、反論のしようがありません。しかし、凄く増えたというのは、アメリカに比べれば微々たるものだ、という感じで反論されてしまう可能性があります。

入試当日にテーマが与えられる場合、どのように客観性を持たせるのか、なかなか大変です。パッとデータが出てくる人は少ないでしょう。これは、日頃から、情報収集をしておくしかありません。新聞を読み、少しでも気になることがあれば、調べるようにしましょう。調べるときは、やはり客観を重視して下さい。

よく、「日本は狭い」と言われます。ただ、この「狭い」は主観です。「日本は狭いので・・・」と書かれた文章を読んだとしても、それが正しいのかは分かりません。調べてみると、日本の面積は、194カ国中61位です。上位30%ぐらいに入っているので、狭いのかは微妙なところです。つまり、日本が狭い事を前提にした情報は、誤りである可能性があります。情報の信頼性を評価し、情報を正しく使うことを「情報リテラシー」と言ったりしますが、情報リテラシーを持つことも、良い小論文を書く上では大切です。情報を評価し、正しい情報を収集するようにしましょう。

これからの時期、当塾では、小論文の対策希望者が増えてきます。合格に向けて、しっかりと対策をしておきましょう。

個別指導塾のエール学院
学院長 小澤典生