入試問題を解くときに、「テクニック」という言葉が使われます。大学入試のセンター試験が共通テストに変わるときも、小手先のテクニックが使えなくなると、大慌てをした塾や予備校の先生も多かったでしょう。

テクニックと聞くと、何か悪いことのように思われることもあります。確かに、本質を理解せずに解けるようになってしまうテクニックも存在しますし、そういうテクニックを使って解いたとしても、学力が上がったとは見なせないでしょう。一方で、本質を理解しているからこそ使いこなせるテクニックもあります。こういうテクニックは、これからも積極的に使うべきです。

What do they like?
They like dogs.

中学生レベルの英文です。「What do they like?」の回答として、「They like … .」と正しく答えられない生徒は、意外と多くいます。

「彼らは何が好きですか?」と問われたときに、「彼女は、大阪に行きます。」と答える人はいません。「彼らは○○が好きです。」と答えるはずです。

ここから分かることがあります。質問文と回答文の主語と述語は同じである、ということです。「彼は、どこに行きますか?」と聞かれれば、「彼は○○に行きます。」と答えます。「彼女は何の科目を勉強しますか?」と聞かれれば、「彼女は、○○を勉強します。」と答えます。これが、言葉の本質です。日本語でも英語でも変わりません。

これを基にしたテクニックを紹介します。質問文から回答文を作るときは、質問文の主語・述語をそのまま使え、ということです。

これが分かれば、「What do they like?」の回答文として、「They like … .」が機械的に出てくるようになります。質問文の主語・述語を、回答文にそのまま使っています。

質問文と回答文の主語・述語が同じというルールは、私たちが日本語で会話をするとき、当たり前のように使っています。この当たり前すぎることを少しだけ考えると、本質が見え、テクニックが浮かび上がり、回答時間の短縮や正確性のアップに繋がります。テクニックは、決して悪いことではありません。但し、テクニックを習得する前に、本質を考えるようにしましょう。

個別指導塾のエール学院
学院長 小澤典生