本日は、祝日です。天皇陛下が皇位についたことを内外に示す、儀式が行われています。

さて、私は、4年間、大学に通うためにアメリカに住んでいました。その時、アメリカ人の友達から、「天皇は、何のためにいるの?」と聞かれたことがあります。

ヨーロッパには、イギリスやベルギーをはじめ、王室が残っている国が多々あります。また、ドイツのように、王室は残っていなくても、大統領と首相がいて、大統領が元首として象徴的役割を担う国もあります。しかし、アメリカは、大統領が、元首でもあり行政府の長でもあるわけです。皇室や王室が存在していません。別に首相がいるわけでもありません。

あらためて、「天皇とは?」と聞かれると、少し返答に困ります。もちろん、「国の象徴」といった教科書に書いてある説明は出来ますが、「象徴だけのために、なぜ必要なの?」というのが彼の質問です。アメリカでは、大統領が、天皇と首相の役割を一手に引き受けているわけで、日本でも、首相が兼ねれば良いということですね。天皇の存在は、日本人の心の問題で、効率だけを考えて「必要か?」と問われると、困ることになります。皇室や王室が無い国の人たちにとっては、理解するのが難しいかもしれません。

アメリカのTIME誌が、天皇の特集を組んでいます。この中に、「天皇の役割は?」というセクションがあります。「日本の象徴であり、アイデンティティである」と書いています。説明しろと言われたら、やはりこのように説明するしかないですよね。このTIME誌の記事ですが、構文や単語はそれほど難しくないので、高校生なら十分に読めると思います。海外のメディアがどのように報じているのか知るのは面白いので、是非、読んでみて下さい。

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学院長 小澤典生